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■アシストひろば:アシスト通信

■将棋の哲学
最近、小4になる長女に将棋を教え込んでいる。

きっかけは、娘と接していて考える力に欠けていると感じたからだ。「考える」過程の1つに具体的な仮説を立てるということがある。しかし、我が娘は、物事の捉え方が曖昧で具体的に考えない。そこで、将棋でも教えて、具体的な仮説を立てる訓練にしようとしたわけだ。将棋の次は囲碁、そして麻雀と目論んでいる。我が家は3人娘。妻に打ち止めを宣告された(笑)こともあり、最近では娘を相手にキャッチボールも始めている。

娘はといえば、「将棋はダサいから、チェスならやってもいい」と生意気なことを言う。そこで、将棋とチェスを交互にやるようになった。

将棋もチェスも、互いの駒を交互に動かし、相手の王様を追い詰め、捕まえるゲームである。その発祥はインドで「チャトランガ」というゲームが西洋に渡ってチェスになり、日本に渡って将棋に発展したといわれている。こうした背景もあり、かなり似たゲームであるが、両者には大きな違いがある。

それは、将棋には「取った駒を味方にできる」「駒が成って強くなる」というルールがあることだ。これは、中国や韓国の将棋にもないルールである。個人的には、このルールが将棋を面白くしていると思うのだが、それはともかく、そこにある種の日本的な哲学を感じる。

将棋もチェスも、戦略や論理という考える要素は大切なのだが、将棋の場合はそれに加えて、「取った駒を有効に活用すること」「成駒を多く作ること」が要求される。つまり、チェスは「決まった能力をどう活かすか」であり、将棋は「能力を育てる」がポイントであるのだ。

飛躍した考えだが、そうした考え方が今日の日本を作り上げた、と考えられはしないだろうか。

社会主義の崩壊以降、米国中心の社会になった。日本にも「能力主義」「弱肉強食」「レバレッジ」といった考え方が浸透してきている。

そうした流れの背景には、精神論だけでなく技術の進化もあるので止められないかもしれない。しかし、教育や子育てに関しては、将棋に見られる日本人の哲学を大切にしたい。

娘と将棋を指しながら、そんなことを考えた。

平成20年10月19日
教務部 小西雄太
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